第76回 歩行補助車(シルバーカー)の安全性
高齢者が外出の際に歩行の補助や品物の運搬、及び休憩に用いる商品として歩行補助車(シルバーカー)があります。国民生活センター危害情報システムによると、2004年度以降2008年度までの5年間に歩行補助車に関する事故事例は30件寄せられており、大部分が転倒し怪我をした事故事例(27件(90%))ですが、「方向転換が困難」、「まっすぐ進まない」など品質に関わる事例もみられました。今回は、歩行補助車の使用状況を想定したテスト結果から提供された「歩行補助車の構造、安全性、耐久性など」の情報を紹介させていただきます。
1.歩行補助車(シルバーカー)とは
歩行補助車は主として自立歩行が可能な高齢者を対象としており、買い物用の袋や休憩用の座面を有したものが多い構造となっています。類似した商品として一般家庭で買い物等に使用するが、休憩用の座面を有していない「ショッピングカート」があります。
2.テスト結果
サイズや機能を考慮して6社8銘柄をテスト対象とし、歩行補助車との違いを明らかにするためにショッピングカート2銘柄を参考品として加えてテストしました。
(1)走行性・操作性(モニターテスト)
○小さい段差等に車輪が引っかかり、バランスを崩して危険な状態となる銘柄がありました。
○大きな溝や段差では、後輪付近のフレームを踏んで前輪を浮かせて通過するモニターが多く、誤ってブレーキフレームを踏んでしまう銘柄もありました。
○下り坂での加速を抑えると同時に楽な姿勢を維持するためにはブレーキなどの制動装置が有効でした。
○組み立て後にフレームのロックが必要な銘柄ではロックを忘れることがあり、使用中に不意に折りたたまれて転倒する危険がありました。
○ハンドルの高さを調節する方法は各銘柄で異なり、モニター自身でハンドルの高さを調節できない銘柄がありました。
(2)歩行補助車とショッピングカートの違いについて
歩行補助車とショッピングカートは外観が類似しているものがみられましたが、安定性などが 異なるものでした。
(3)本体及び取扱説明書の表示について
歩行補助車全銘柄に「自立歩行ができない人の使用には適さない」といった表示があり、ショッピングカートには歩行補助車と区別する旨の表示がありました。
3.消費者へのアドバイス
●使用者の目的や体にあった商品を選択し、ショッピングカートを歩行補助車として使用しないこと。
●溝や段差を越えるときや傾斜面を歩行する際には十分に注意し、異常を感じる場合は販売店やメーカーに点検を依頼すること。
(引用)国民生活センターホームページ(http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20090514_1.html)より部分抜粋
