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リスクマネジメントコラム
第119回 利用者・家族とのコミュニケーション~コミュニケーションの種類~

【2回目】

介護現場において、利用者・家族との適切なコミュニケーションをとることは、安全で質の高い介護を提供する上で不可欠です。利用者・家族とのコミュニケーションにかかわる基礎知識を4回シリーズでお届けします。

前回、コミュニケーションには、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションの2種類があることを述べました。今回は、主に言語 (言葉)の面で注意したいことや工夫したいことについて解説します。

■理解されにくい言葉
医療・介護現場の職員が使う言葉の中には、利用者や患者にはわかりにくい言葉があります。
専門用語はもちろんですが、専門用語ではなくても、一般の人は使用しない言葉を職員が無意識に使用してしまっていることがあります。
国立国語研究所が一般市民へのインターネットによるアンケートを行ったところ、たとえば、「誤嚥(ごえん)」や 「重篤(じゅうとく)」という言葉を聞いたことがある人は、約50%という結果でした。そして、聞いたことがある人の中でも、誤嚥を誤飲と混同するなど、正しい意味を理解していない人も少なくありませんでした。
また、大半の人が「聞いたことがある」と答えた言葉でも、「頓服(とんぷく)」「介護老人保健施設」「グループホーム」などは、誤って理解している人が少なくないという結果でした。
このような言葉については、日常の言葉で言い換えたり、正しく伝わるように説明を加えたりする必要があります。

■聞き取りにくい言葉
聞きなれない言葉は、耳で聞くだけでは、聞き取りにくかったり、理解しづらかったりするものです。たとえば、「カレイ」「シュヨウ」と聞いても、「加齢」や「腫瘍」のことだとはすぐに理解できないでしょう。また、高齢になると若い人に比べて音声を聞き取って理解することが難しくなると考えられます。
読みやすい説明書などを見てもらいながら説明したり、キーワードを紙に書いて、それを示しながら説明するとずっと理解しやすくなるはずです。

■不快に感じさせる表現
理解できない略語を使われると、利用者や家族は、馬鹿にされた、いい加減に扱われたと感じる可能性があります。たとえば、「ケアマネ」などのように介護職員が当たり前と思って使っている略語の中で、利用者や家族がすぐには理解できない言葉がないでしょうか。
また、親しみをこめたつもりで、利用者に子どもや同世代の友人に対して使うような言葉遣いをしていないでしょうか。
「指導」「教育」などの言葉も、利用者にとっては「若い職員が自分を指導するというのか」と自尊心を傷付けられたように感じられるおそれがあります。職員同士で振り返ってみることも重要です。

(次号第3回に続く)