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リスクマネジメントニュース
ワーファリン使用による賠償事故

介護老人保健施設において、ワーファリン使用に関連した事故報告が毎年1件程度の頻度で発生しております。投薬に関連する医療事故については、高額の損害賠償を求められるケースが多く、また裁判等、解決までに時間を要する場合があります。
医薬品使用全般的なことでありワーファリンに限ったことではありませんが、特にワーファリン使用に関しては、
① ワーファリンという薬の特性から、投薬管理・検査等の必要性・重要性は医師が十分に理解・認識する義務がある
② ワーファリン使用に際して相当の注意をはらうことは当然の医療水準である
という、見解が出ております。
ワーファリンは血栓の予防あるいは進行抑制のために使用される医薬であり、心筋梗塞や脳卒中などの血栓塞栓症の治療および予防に用いられております。その効果については個人差が大きく、また様々な注意点が指摘されております。

効能に関する注意点

血管内で血液が固まるのを防ぐ強い作用があるため、血が止まりにくくなります。出血をともなう病気や出血のおそれのある人、手術時、妊娠中の人などには適しません。

飲み合わせ・食べ合わせ等

多くの薬と相互作用を起こす可能性があり、飲み合わせによっては作用が強まったり、逆に弱まったりしてしまうことがあります。ワーファリン投与の際には他の薬の服用を確実に確認することが必要です。また、ビタミンKを多く含む食事(納豆・クロレラは摂取厳禁)はワーファリンの効力を弱くしますので、飲食にも注意を払う必要があります。

検査

ワーファリンの効力は個人差があるだけではなく、同一個人でも変化することがありますので、プロトロンビン時間検査、トロンボテストなど、所定の検査を定期的(治療初期は頻回に)実施、治療域を逸脱しないようにすることが必要です。

飲み忘れた時・投与し忘れた時には

一般的には半日以内であれば出来るだけ早く飲む・投与するよう薦められております。半日以上経ってしまった場合は、飲み忘れた分・投与し忘れた分は抜くことが薦められております。飲み忘れた・投与し忘れたからといって、複数回分を一度に飲む・投与することは危険ですので絶対に禁止です。

副作用について

出血したり、血が止まりにくくなることがあります。発疹・じんま疹が出たり、吐き気をもよおす場合があります。

入所前の検査、入所中の投薬管理、カルテ記載、各検査の結果等、万が一賠償事故に発展してしまった場合には重要な証拠となります。日ごろから、正確な記載、ファイリング、申し送りを心がけてください。
(三井住友海上火災保険株式会社)

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