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リスクマネジメントニュース
全老健リスクマネジャー制度の意義

全老健の認定資格

老健施設を取り巻くリスクは、転倒・転落による事故や施設内感染、利用者のプライバシー保護、職員間のトラブルから、地域との連携ミス、事業環境の悪化等による減収、自然災害などさまざまであり、個別に存在するのではなく各々が関連していると考えられています。そこで、さまざまなリスクを包括的に把握し、事後対応だけでなく、事前リスクも視野に入れて現場の中心となって、リスクマネジメントを行う人材を養成する制度として創設されたのが、全老健初の資格認定制度であるリスクマネジャー制度であります。と同時に介護サービスにおいて先進的な取組でもあるのです。
2007 年11 月からスタートした介護老人保健施設リスクマネジャー養成講座により、2008 年度の第Ⅰ期生(224 名)、2009 年度の第Ⅱ期生(246 名)計470 名にリスクマネジャー(RM)としての資格が授与されています。
リスクマネジメントの重要性や、介護老人保健施設における専従の安全管理者としての任務・役割については、既に認識されていることと思いますが、この情報誌を通して改めて全老健リスクマネジャー制度の意義をご確認いただければ幸いです。

損保グループ各社がサポート

平成18 年4月の介護保険法改正で「事故発生の防止及び発生時対応の指針」の整備が義務付けられました。全老健では、介護と医療の二つの側面を提供する老健施設のケアの向上による事故の軽減、利用者の安全・安心の確保を目指した活動の一環として、「リスクマネジャー資格制度」を創設しました。
また、介護老人保健施設総合補償制度の引受保険会社の東京海上日動火災、三井住友海上火災、損害保険ジャパンのグループ各社から、総合補償制度のさらなる発展と事故防止・軽減に向けて、このリスクマネジャー資格制度にサポート・協力いただいております。
平成20 年度の更新から介護老人保健施設総合補償制度に加入している場合、賠償事故補償制度に「リスクマネジャー資格割引制度」を導入する運びとなり、さらに、平成21 年度更新からは、利用者傷害見舞金制度にも同割引制度を導入することになりました。
このように、引受損保グループ各社と連携して「安全・安心」に取り組んでいる当制度は、介護業界ならびに損保グループ各社にとって非常に意義深い取組・制度であることを全老健リスクマネジャーにはご認識いただきたいと思います。

/// Comment ///

2007 年度から始まった、介護老人保健施設リスクマネジャー養成講座は、まさに変化するさまざまなリスクを包括的に把握し、それに対応できる人材を育てようという具体的な全老健としての取組ではないでしょうか。世の中の環境が変わっていることを十分認識しておくことが重要です。もちろん、事故がない、転倒がない、誤嚥がないということは当たり前ですが、それに加えて、利用者や家族の苦情にどう対応するかなども重要なポイントです。苦情はある意味で利用者のニーズの裏返しで表現されたものですから、その苦情から利用者のニーズをくみ取り、どれだけ的確に対応できるかが問われています。そのためのリスクマネジャーの果たす役割は重く、ますます重要になってくると確信しています。
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本田茂樹
㈱インターリスク総研研究開発部長・主席コンサルタント(三井住友海上グループ)

老健施設におけるリスクマネジメント
-前提となる基本概念-

老健施設におけるリスクマネジメントは、「利用者の安全な療養生活」に重点を置いた利用者に関するリスクと、施設や組織の運営上のリスクとに区別される。個人情報保護法、高齢者虐待防止法などの関連法規、制度改正による事業環境の変化(食費・居住費の自己負担等)、身体拘束廃止や感染症対策といった社会的ニーズなどが生じてきており、単に「事故処理」と「苦情対応」だけを論じているだけではすまされない時代となっている。

RM の任務

○施設内に設置されたリスク管理のための各種委員会(事故防止対策委員会など)の委員長(SM)を統括し、各種リスクについて、施設における対応策や施設体制の改善策等について検討・提言を行う。
○リスクマネジメント委員会の委員長を務め、委員会の運営を行う。
○施設の管理者に対して、施設におけるリスクに関する提言を行う。
○その他のリスク防止に関する注意・啓発・教育・広報などを行う。

全老健リスクマネージャー資格認定制度 WEBサイト